ボラバイトで農業の楽しさを発見!この春就農します。


【プロフィール】武彩伽さん・20代・東京都出身
大学時代に経験したボラバイトがきっかけで
農業の楽しさに魅了され、春から長野へ移住。
かつてお世話になった農園で新生活がスタート

                                                      取材日:2019年3月28日
記事:巳波 智佳

インタビュー中も朗らかで笑顔がとても印象的な武さん。
それでも以前は、悩みや葛藤を抱えていた時期があったそうで、ボラバイトを通してどのようにその壁を乗り越えたのか、同じく今の環境に悩んでいる方にもぜひ読んでいただきたいインタビューです。

●今春から、以前ボラバイトに行った長野の農園で就職が決まっているそうですが、今の心境を聞かせて下さい。

わくわくしています!初めは10代の時にボラバイトという形でお世話になりましたが、
次は社員という立場から、農園の力になりたい気持ちでいっぱいです。

●元々ボラバイトを始めたきっかけは?

最初は姉から教えてもらって、大学1年の夏休みに沖永良部島の花農家へ行きました。ここに決めたのは、海が好きで南の島に憧れがあったからで、農業自体に興味はありませんでした。それと実はもう一つ理由があって・・・「保健室の先生になりたい」という夢があって、看護大学に入学したのですが、授業に全然ついて行けず、最後まで通い続けることは無理だと落ち込んでしまっていた時期でした。それで、ここから逃げ出したい、私のことを知っている人が誰もいない島に行きたいと思ったんです。

●島でのボラバイトで思い出に残っていることは何ですか?

初めて体験した農業は本当に楽しくて!ミャンマーやベトナムから来た研修生と一緒に、作業場の上にある部屋に7~8人ぎゅうぎゅうで住んでいました(笑)。そのことを友達に話すと驚かれましたが、自分が変わった環境に居るという気持ちは全然ありませんでした。みんなでご飯を作って食べたり、夜は日本語、ミャンマー語、ベトナム語が飛び交いながら、ジェスチャーを交えてコミュニケーションを取ったり。研修生の子達は母国の家族へ仕送りをするために働いているので、それに比べ自分はいかに恵まれた環境に居たのかということも痛感しました。彼女達とは今でも連絡を取り合っていて交流が続いています。

●その後、先述の長野の農園に行ったそうですが、印象に残っていることはありますか?

島に居た時に決心して大学を中退しました。農園に来て、集まった同世代のボラバイター同士で自己紹介をする時、自分だけ「大学〇年の~です。」と言えないことになぜか悔しさを感じてしまって…。後日、そんな気持ちになったことを農園の社長さんに話した時にかけて下さった言葉が今でもすごく印象に残っています。「それを悔しいと思うのは、大学に行ってるっていう肩書きが欲しかっただけなんじゃない?本当に大事なのは肩書きじゃなくて、自分の眼で見て経験したことがこれから進んでいく道の一番の糧になるよ」と。その言葉を聞いてから大学のことを気にする気持ちはなくなりました。そして、もっといろいろな農業の現場へ行って、自分の眼で見て確かめようと自然に思えたんです。この時のことは今の自分にもかなり影響していますね。(写真は武さん提供)



●数々の農園で経験を積んだ後、なんと農業大学に入学したんですよね。

長野でのボラバイトを終えてから3年間、各地の農園でお世話になったのですが、ある場所で「彩伽ちゃんの夢って農業学校に行くことが一番の近道なんじゃない?」と言われたことがずっと心に引っかかっていました。それから農業大学について調べて、いくつかオープンキャンパスへ行きました。群馬の大学へ行った時、目の前で「ドローン」が飛んでいたことにすごく驚いたんです。これを使って農薬散布が出来る話を聞いて「もし私が使いこなせたら、農家さん達が作業で苦労せずに済む」と思いました。この大学に入って、知識をたくさん吸収して、お世話になった農家さん達に恩返しをしたいという気持ちが強くなりました。

●これまでの経験を通して、ボラバイターさんにはどんなことを伝えたいですか?

昔の自分がそうだったので、もし、今の環境に悩んでいたり、迷いがあれば、思い切って一歩踏み出してみると良いと思います。これまでボラバイトで出会ってきた子達も、みんな何かしら身近な人には言えない悩みを抱えていて。でもなぜかボラバイター同士だと、生活のふとした時にぽろっと悩みを話せるんです。話を聞いてもらえるだけでも気持ちも軽くなるので、皆さんも、この先ボラバイトに行ったら話を聞いてくれる人はきっと居るはずです。

そして、ボラバイトに参加してみたいけど悩んでいる方へ。いつでも帰ってきたくなる第二の故郷と、血は繋がっていないけれど、第二の家族のような宝物が出来るということを伝えたいです。

それから最近、人に仕事を教える、伝えることは難しいと感じていて、もっと伝え方を勉強したいと思っています。初めてやることは誰でも分からないし、見よう見まねになると思いますが、そんな時はハッキリ「わからないです。」と伝えた方が良い。例えば、正しい手順を聞かずに野菜苗を100ケース作って、それが間違っていて全部駄目に・・・ということになってしまうよりは、聞きづらくても最初にしっかりと確認した方が良いですよね。聞くことは決して恥ずかしいことではないので、どうか安心して何でも聞いてほしいです。

●では最後に、武さんの今後の目標や夢を聞かせて下さい。

農園オリジナルの枝豆を日本一にしたいです!最近、野菜ソムリエの資格を取ったので、農業の魅力をもっと発信していける存在になりたいです。みんなが野菜を食べて笑顔になってくれると嬉しいので、食卓に笑顔を届けられる人であり続けたいと思っています。

 

 

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