プロフィール：30代女性・社会人
去年から農家を中心に各地でボラバイト
次は酪農の大変さを身をもって知りたいと
牧場ボラバイトに挑戦予定

取材日：2018年11月01日
記事：巳波 智佳

インタビュー日の前日まで、まさに三重県で農業ボラバイト中だったKさん。
「多品目栽培の農家さんは初めてだったので、毎日飽きずにいろいろなことが出来ました。従業員さんにすごく面白い人がいて毎日笑いながら作業していました」
一年通して各地でボラバイト経験を積み重ねて来た、貴重なお話を伺いました。

早朝に農園から望める「雲海」

●今年一年を振り返ってみていかがですか？
毎日旅をしてるみたいですごい楽しくて･･･電車やバスに乗っている移動時間も好きで、毎日新鮮な日々でした。体を動かすことも好きなので、自然の中で働けることが楽しかったし、勉強にもなりました。

●美術大学に通われていたそうですが、農業に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか？
陶芸が好きで続けていますが、部屋の中で籠もって作業する上に、作品展の前は気持ちも焦って大変だなと。
もともと旅とか自然が好きだったので、仕事としてやるなら、外で体を動かすことの方が良いなと思っていました。
だから農業とか田舎暮らしをしたいと思ったのですが、ただしたい、というだけで自分には合わないんじゃないかと心配になったので、まずは短期で農業を始めてみようと思いました。

ボラバイトのことは、長野県佐久の有機農家さんの所で知りました。その後、群馬でWWOOF  （ウーフ） をしていた時も、隣に住んでいた人が全国を自転車で回りながらボラバイトをされている方で。すごく良いな、私もいろいろ所でボラバイトをしてみようと思ったことがきっかけです。

●去年はじめてボラバイトに行った時のことは覚えていますか？
群馬県の農家さんでした。初めは作業について行くのも大変。
朝も早くて必死で、体力もつけなきゃ、初心者の自分が役に立っているのかな、と思うこともありましたが、やっぱり外での作業は気持ちが良くて楽しかったです。

もともと車の運転が下手だったのですが、1人で車に苗を積んで、畑まで行って定植する作業もさせてもらえて「あ、自分でやって良いんだ」と、仕事を任せてもらえたことが嬉しかったです。それと、農園のご家族もみんなとっても良い人だったんですよ。
一緒の時期に来ていたボラバイターさんとも仲良くなることが出来て楽しかったです。

●これまでのボラバイトの中で印象に残っている出来事は何ですか？
北海道では農家に2箇所行ったんですが、どっちもバーベキューが多かったことです（笑）。仕事が終わった後の習慣なんですかね、頻繁にバーベキューが開かれていました。仕事終わりに散歩をしていると、多くの家からバーベキューの匂いがしていました（笑）。
美幌町の農業施設の方には、町の良さを知ってほしいと、観光で芝桜を観に連れて行ってもらうこともありました。

●ボラバイトを通してご自身の中で変化はありましたか？
　体力面だと、最初は土の上を歩くのも安定しなくて、レタスを2コンテナ持ちながら歩くのも大変だったんですけど、でも今は少し慣れてきて体力もついてきたかなと思います。頑張るのも苦じゃないので、農業に向いてるかもと思えるようになりました。
あとは、農園での共同生活も最初思っていたより楽しく出来て、いろんな人とも知り合え交流の輪が広がりました。

●将来の目標はありますか？
　最初は自分に合うかどうかと思って始めた農業ですが、今の所楽しく出来ているので、来年からはもっと長めの期間でやってみようかなと思っています。
それと、ゆくゆくはお店、カフェを開きたいです。陶芸もやりながら、そこで野菜を作って、調理をして、自分が作った皿で出す、みたいなことが出来たら良いなと思っています。地元から近くて自然と水がきれいな長野辺りで開けたらと、まだ夢みたいな願望の話ですが･･･。

●これからボラバイトをする方へメッセージをお願いします。
　最初は、（農作業を）続けられるのか不安もあったのですが、いろんな経験が出来ますし、自信にもなりました。何よりやり終えた後に達成感があると伝えたいです。あとは、農家さんの大変さが実感出来る。気候に左右されて、全然野菜が収穫出来ないこともあるのに、負けずに向き合っていて、強いなと思いました。
だから野菜がちょっとぐらい傷んでいても、きれいなものじゃなくても良いんだと、野菜に対する向き合い方も変わると思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（写真提供：Kさん）

 

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